熊谷卓彦さん

ただの広告屋さんではない感じ

  • 総合コース (現・基礎コース)
  • 養命酒製造・コピーライター
ただの広告屋さんではない感じ
  • 熊谷卓彦さん
  • 養命酒製造・コピーライター
  • 総合コース (現・基礎コース)

受講したきっかけは。

人に何かを伝える仕事がしたくて、広告会社か出版社を希望していました。でもなかなか受からなくて。そんなとき養命酒製造がコピーライター職を募集しているのを見つけたんですね。養命酒製造なら新聞広告を作ることができて、全国的に活躍することができるという点に魅力を感じ、応募して新卒でコピーライターとして入社しました。

ひと通り現場で学んでから外部で学びたいということを考えていて、3年目の春に会社からの派遣で受講しました。会社で受講していた先輩が何人かいて、自分も受けたいと思っていました。

実際に受講してみて、感じたことは。

自分は広告業界とほとんど接点のないコピーライターだったので、広告業界のことを知りたくて、その接点を持ちたいというのが一番のモチベーションでした。教室に行ってみると、空気が少し重かった(笑)。

受講生たちの、自分の能力や将来に対する不安や希望が入り混じった気持ちがあふれていたのだと思います。自分も同じ気持ちを抱えていたはずです。そういう状況で、自分は有名広告会社のコピーライターではないし失うものは何もないと開き直って、気楽に素直に真面目に勉強していこうと決めました。

もともとライブが好きで、大道芸のパフォーマンスをやったりしていたせいか、生の講師を見るのは大変勉強になりました。どの講師の話も面白かったです。講義の際は毎回、必ず質問するように心がけました。その時、ほかの人にとっても役に立つ質問をしようとしました。

クラスの雰囲気は、受講生同士お互いがわかりはじめてくると最初の重い空気が何だったのかというくらいにぎやかになりましたが。

印象に残っている出来事はありますか。

一倉宏さんの講義は印象に残っています。俳句をテーマにした話など、コピーを言語からしっかりとらえていく講義をしてくださって、ただの広告屋さんではない感じがして、でもだからこそ優秀な広告屋さんでもあって、素晴らしかったです。

講座で学んだこと、役に立ったことは。

広告業界にいないコピーライターだったので、広告業界との懸け橋として講座を利用させてもらえたと思っています。それと、師と友、おまけに妻まで授けていただきました。人生を豊かにしてくれるものを3つあげるとしたら、これらかも。実は一番ありがたく思っていることです。

コピーライターになってみて感じたことは何ですか。

自分の場合、国文学の勉強やパントマイムの修行など、学生時代にやってきたことがそのまま活かせる仕事でした。

コピーライターに向いている人はどんな人だと思いますか。

やさしさと思いやりがある人ですね。たとえ持っていなくてもその価値を理解できる人は向いていると思います。広告はメディアで発信する側になるので、影響力が大きいです。だから世の中をよくしたいという気持ち、エゴではなく相手を思いやる気持ちが大切ではないかと。

人の幸せを喜び、人の不幸を悲しむことができる人になってほしい。人は優しさに弱いので、優しさを向けられると信用してしまう。広告にとって必要な要素なのではないかと思います。

これからの抱負を聞かせてください。

商品にとっても世の中にとっても、貢献できる広告をつくっていきたいです。必要なことを必要な形で正しく伝えることで喜んでもらえたら嬉しいです。言葉や表現には善し悪しがあるような気がしていて、良いものを生み出していきたいと強く思います。

何が良いかは僕が決めることではないかもしれないけれど、世の中に良いと思われることをして商品への愛を獲得していきたい。あと、これは願望ですが、カラオケで自分が作詞した歌を歌っている先輩方が楽しそうで楽しそうで。いつか自分も作ってみたいなあと思っています(笑)。

受講を検討している方へのアドバイスをお願いします。

気になるのであれば受けてみるといいです。受けてみないと判断しようがないですから。失うものは何もありません。受けるのであれば思う存分利用してみるべきだし、そういう姿を恥ずかしいと思うのはもったいない。そんなことでは世の中に訴えるものは作れないのでは。

この仕事は恥ずかしい仕事でもあるんです。自分が作ったものが人前にさらされて、しかもその多くは無視されるわけですから。受講生たちは、はじめよそよそしいですが、実は心の底ではみんな話したいと思っているので、懇親会なんかにはどんどん行くといいです。たとえ苦手だったとしても。

これからコピーライターを目指す方へメッセージを。

自分が作った言葉が世の中に出るのはうれしいことです。これは人間の根源的な欲望なのかもしれません。どんな仕事も大変なのは同じです。コピーライターはわかりやすい楽しさがあります。やる気があるならお勧めです。

一回やりたいと思っているなら実現させるために努力と研究をしてみるべきです。やらないで迷いながら人生を送るのはもったいないかと。糸井さんや仲畑さんが大活躍した時代のように、コピーライターが世の中を賑やかす仕事であり続けるかどうかは私達の頑張りによるわけですが、普通の仕事として考えてもつまらない仕事ではないと思います。

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