恥をかいたぶんだけ強くなる
- 基礎コース 東京教室 2009年秋→上級コース 東京教室 2010年春
- ズームデザイン コピーライター
- 日野原良行さん
- ズームデザイン コピーライター
- 基礎コース 東京教室 2009年秋→上級コース 東京教室 2010年春
受講したきっかけは?
中学生の頃からぼんやりと、コピーライターになりたいなという気持ちがありました。きっかけは糸井重里さんの本を読んだことです。ただ、コピーが何なのかまったくわからないまま大学生になり、焦り、路頭に迷いこんでいたところで、宣伝会議という会社の存在を知り、基礎コースの受講に至りました。
実際に受講してみて、感じたことは?
はじめに「マスクのコピーを書いてください」という課題がありました。その当時、「自分にはコピーライターの素質があるはずだ」などと根拠のない自信を持っていた僕は、書いたコピーが当然評価されるのだろうと思っていました。ところが、返却された用紙には「コピーが何なのかをしっかり学べ」の一行。まさかと思いました。講師に見る目がないだけだろう、と。でも、それは間違いでした。講師の方の評価したコピーが読み上げられます。「僕のくしゃみで死ぬ人がいる」。受講当時、新型のインフルエンザが流行しており、そういった時代背景も含んだコピーでした。マスクでここまで考えるのかという衝撃が、僕の心を打ち砕き、そこではじめて「死ぬ気でやらないと置いていかれる」という気持ちになりました。
印象に残っている思い出を教えてください。
講義のあと、「飲み会に行きませんか」というシートを配っている人がいました。僕は一匹オオカミとしてやっていこうと決めていたので、参加する気はありませんでしたが、直接「行かない?」と誘ってくださった方がいて。それが先ほどのマスクのコピーを書いた方で、参加してみることにしました。そこから毎週、飲み会は開かれ、意見交換の場として機能していくこととなります。今思えば、様々な仮説をぶつけ合った飲み会の場こそ、講義と同じくらいの価値を持っていた気がします。
印象に残っている講義を教えてください。
中村禎さんの少人数クラスがいちばん印象に残っています。人を動かさないコピーはコピーでないということを改めて感じたのと、人を動かすためにはキレイごとでなく、本音の部分に触れなければいけないのだということを学びました。また、恥をかくことを恐れていてはいけないということがよくわかったのも禎さんの講義です。むしろ恥はかくべきで、講義でボロボロに言われたり、自分の弱さに気づくことで、書く力がついていくのだと思います。
今の仕事で役に立っていることはどのようなことですか?
コピーを書くときの視点が講座に通ったことで圧倒的に増えました。仕事でコピーを考えるときに、ここで鍛えた筋力が活躍します。ただ、講座はあくまでトレーニングの場に過ぎません。実際の仕事では「マスクのコピーを書いてください」というオーダーはなく、「私たちの会社が作っている、こういった特性を持つマスクを売りたい」というオーダーがあるわけです。ただのマスクは存在しない。コピーだけが解決の手段でもない。そのあたりをきちんと理解した上で、視点力を活かすことが何よりも重要だと考えています。
これからの抱負を聞かせてください。
自分のアイディアで商品の売り上げを劇的にあげてみたいというのと、広告に限らず、ゲームや映像制作などの舞台で、コンセプトメーカーとして価値あるものを生み出す仕事をしてみたいです。日本を少しでも盛り上げることができたら幸いです。
コピーライターに向いている人はどんな人だと思いますか。
負けず嫌いな人。粘り続ける人。言葉ではがゆい思いをしたことのある人。発見する気持ちよさを知る人。親切な人。妄想が好きな人。誰かのためになることが自分のためになると思える人。悔しさをモチベーションにしていける人。人が好きな人。つまり、コピーライターに向いていない人などいないということなんだと思います。
学校と講座の両立はどうでしたか?
なかなかにしんどい時もありますが、実は大学の授業で聞いた話さえも、コピーライター養成講座で出される課題のヒントになることがあります。いろんなことを吸収した方がコピーは書ける。講座に通いはじめて、大学の授業がそれまでよりも楽しくなったのは大きな収穫でした。就職活動も含めて忙しくはなりますが、そのぶん人生が楽しくなります。
受講を検討している方へのアドバイス。
コピーライターになるために何をすればいいのかわからなくなったら、この講座の力を借りてみてください。道筋が見えてきます。また、講座に通うすべての人を出し抜くつもりで通った方がいいです。出し抜けない悔しさが、モチベーションに変わり、受講生のいいところを盗もうとする意識が生まれます。みんながライバル。みんなが講師。そんな仲間たちと出会えることも魅力だと思います。講座を卒業した今でも、「同期のあの人頑張ってるなあ」と思うことがしょっちゅうで、そのたびに悔しくて、もどかしくて、「また頑張ろうじゃないか」という気持ちにさせられています。