小野麻利江さん

自分を試してみる最高の場

  • 総合コース (現・基礎コース)
  • 電通
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受講したきっかけは。

もともと広告が好きで、就活をひかえてコピーライターになれたらなと思いました。しかしそう甘くはないとも思っていたので、自分の適性を見極めるために大学3年の春に総合コース(現・基礎コース)を受けました。

実際に受講してみて、感じたことは。

何も知らない状況で講座に通うことになったので、最初は不安もありました。広告業界で働かれている方もいるということを聞いていたので、講座内容についていけるのかな、難しすぎないかな、と。いま思うと、何も知らなかったからこそ、講義内容、講師の方々のお話を、素直に全て受け止められたと思います。それは良かったなあと感じています。

印象に残っている出来事はありますか。

少人数クラスでコピーを教えてくださった中村禎さんの講義です。提出したコピーに「何が言いたいのか全然わからない」と赤字で返却されて。それまでは、コピーライターになれたらいいなーと、ぼんやりとしか思っていなかったのですが、コピーって甘くないんだ、言葉を上っ面でいじっているのはコピーではないんだ、というのを思い知った授業でした。

その時いっしょに赤字で書かれていた「このコピー、人を動かそうとしてる?」という言葉は、今でも自分でコピーを書いた後に、思い出す視点になっています。

大学生で受講して大変だったこと、良かったことは?

大学の友人たちが皆、授業にもバイトにもサークルにも有意義に時間を使っているのを見て刺激を受け、両立はきついかもしれないけど私もやってみよう、という感じでした。結果、学生のうちにプロの方々に会って業界の雰囲気を感じられ、とてもよかったです。

就職活動についてはいかがでしたか?

テレビに始まり、新聞、雑誌、ラジオ、とマスコミ全般を受けました。でも狭き門で全然受からなくて。4月に電通の試験が始まったころは、ダメならいったん休学か留学をしようと腹をくくって、数社に絞り込んでやりました。

今思えばわがままですけど(笑)運よく内定がでたのですが、当時、入社後1年間はクリエーティブ配属は無く、1年目の最後にクリエーティブの選抜試験がありました。同期の1割くらいが合格するなか、その時も運よくなれまして。大喜びというか、ほっとしたという感じでした。

コピーライターになってみて感じたことは何ですか。

コピーライターの仕事は、ポテンシャルはあるのに誤解されている人を「実はこんなにいいやつ」と紹介するような感じで、商品や企業の本質を、素材を活かしながら、より素敵に伝えさせていただくことかなと考えています。

昔から、自分を良く見せるのは苦手なのですが、他人の魅力を紹介することは好きだったので、とても楽しいです。いいものが書けるまではすごくしんどいですが、見た人に「いいね」って思わせようと考えながら書いていると、どんどん楽しくなってくるので、逆に自分がコピーに日々救われているな、と感じています。

コピーライターに向いている人はどんな人だと思いますか。

同じ「何かを伝える」というのでも、自分のことを語りたい人、というより、他人のためにいい方向に価値を変えたいと思う人が向いていると思います。面白い視点で、そういうことを一生懸命考える人と、ぜひ一緒に仕事をさせていただきたいです。

これからの抱負を聞かせてください。

大きいキャンペーンも担当し始めたのですが、チームをまとめる言葉を組み立てる力がまだ弱いので、自分の書いたコピーを通すだけじゃなく、状況を整理して、みんなが納得できる合言葉を出すことを、これからもっとやっていきたいです。

受講を検討している方へのアドバイスをお願いします。

ちょっとお金はかかるし、忙しい中通われることになると思いますが、毎回メモの取りがいのあることばかりなので、ちゃんと時間を割いて受講する価値はあります。

一方で、広告やコピーの世界だけに限定せずに、本を読んだり人の話を聞きに行ったり、ほかの世界もいろいろ見ることも大切だな、とも感じます。コピーライター養成講座も、あくまでそのひとつとしてうまく使われるといいのではないでしょうか。

これからコピーライターを目指す方へメッセージを。

最終的になれなかったとしても、コピーを勉強して損はないと思います。人が何を言えば喜ぶか、どんな価値を提供すれば喜ばれるかを想像する視点というのは、何をする上でも必要なはずなので。

私はマーケティングの部署からクリエーティブに移りましたが、もしそうじゃなかったら、クライアントさんの気持ちを本当に理解しようと努力しないまま、年次を重ねていたかもしれない、と思っています。

私の場合、コピーを考えることで、他人の人生や気持ちを、以前より深くおもんばかるようになれました。それはどんな仕事にもすごく役に立つことだと感じています。

最後に、TCC最高新人賞、おめでとうございます。

ありがとうございます。応募の際は、五分五分かな…という感覚だったので、最高新人賞はちょっと重いなあ、と恐縮しています。そう言うと周りに怒られますが(笑)実力がついていってないとも思うので、これからがんばります。

思えば2年前。コピーライターになって1年目の最後に新人賞に出品しようと思った時、作品がそろわなくて出せなかったんです。その時は泣いてしまうほど悔しかった。でもそれがきっかけで「自分がいいと思うものはみんないいと思うはず」というおごった考えがあったこと、そして、それが間違いだったことに気がついたんです。

それから、「自分の考えは、他人に分かってもらえない」と仮定して、「世の中がいいと思うことは何だろう」「人に良い結果をもたらすアイデアやコピーは何だろう」と追求するようになりました。そのころから、他人のことを思いやりながら考えることが、少しはできるようになったと思います。それは自分の中で大きかったですね。

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