通ってから刺激がわかる
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- 澁江俊一さん
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受講したきっかけは。
就職活動に落ちこぼれたのですが、書くことも広告も好きだったので、遠回り覚悟でコピーライターとしてじっくり下積みからやっていくためのはじめの一歩として受講しました。大学4年の秋で、まわりはみんな就職先が決まっていたので、求人紹介があるのも大きかったですね。
実際に受講してみて、感じたことは。
印象に残っている出来事はありますか。
HIVという課題が出たので、病院でバイトしている以上は絶対に1位獲ろう!と思ってエイズ予防のコピーを書きまくりました。が、当日行ってみたらCDショップのHMVという課題でした(笑)。かなり笑われました。
印象に残っている講義は。
いろんな先生がいて、広告にはいろんなやり方があっていいんだ、というのがわかったのが大きかったです。先生によって答えがぜんぜん違うのだから、自分は自分のやり方を見つければいいんだな、と。いろんな話が聞けたからこそ、「正解はない」ということに気がつけたのがよかったですね。
今の仕事で役に立っていることはありますか。
今でも書いたコピーは、プレゼンに出す前にいろんな人に見せたりするんですけど、自分のコピーを冷静に客観的に見ないといけないという視点は、今でも役に立っています。自分が良いと思うものと世の中が良いと思うものは、意外とギャップがある、というのは講座に行かないとわからないことでした。
コピーライターになってみて感じたことは何ですか。
天職だな、と(笑)。ふだん使っている言葉をきちんと整理して、選んで、研ぎ澄まして、ってあらゆる局面で求められているのに、意外とみんなできていない。職人芸のようなもので、言葉が好きで言葉に意識的でないとなかなかできないと思うんです。それがいまだに僕は嬉々としてできている。課題があって、それを解決する言葉をつくり、磨いていくというのが、自分にはすごく向いているな、と。
これからコピーライターに求められていくこととは?
ただ「言葉を考えてください」と言われて書くだけじゃなく、状況を整理して、全体の方向性を決める言葉を書くのもコピーライターの役割なんだな、と最近強く思います。CMの力が前ほどではなくなって、いろんなメディアを統合しなきゃいけないときに、ひとつ言葉が決まっていたら、本当に伝わりやすくなるんです。社内チームとも、クライアントとも共有できて、世の中にもすぐに広まっていける速い言葉。そういう言葉のスピードに意識的であることが、いま求められていると思います。
コピーライターに向いている人はどんな人だと思いますか。
ふつうの言葉のなかから、新しい、すごくいい、という感覚を探し出すのがコピーライターの仕事だと思うので、そこにやりがいや楽しさを感じられる人は向いていると思います。新しい言葉を創造するというよりは、すでにある言葉たちと戦ったり、仲良くしたりして、いい言葉を捕らえようとしている、そのための審美眼を磨いている人ですかね。
これからの抱負を聞かせてください。
ちょっとでも世の中を楽しくしたいですね。コピーのみならず、広告全体を通じて。見た人が笑ってくれたり、背中を押されたとか、5秒でも思ってくれたらいいですね。
受講を検討している方へのアドバイスをお願いします。
いろんな人がいろんなことを言う半年間なので、あまりこうなるべき、って決めずに受講してみて、自分のいろんな可能性を発見するのもいいと思います。講座は、正解を教えてもらえる場所ではなくて、「正解はひとつじゃない」ということを教えられる場所。最短距離でいこうと思う人はいっぱいいると思うんですけど、長期的な視点で遠回りするのもいいんじゃないでしょうか。
広告賞受賞のメリット
これから実際の仕事に活かせたらいいなって思います。また、直接的なメリットではありませんが、講座を通じて知り合った仲間がすごく喜んでくれました。すごく嬉しかったし、これまで教えて下さった講師の方々にも少しは恩返しできたかなぁって思います。