何をするにしても「言葉」は重要
- 総合コース (現・基礎コース)
- 電通 第1クリエーティブ局
- 角田武さん
- 電通 第1クリエーティブ局
- 総合コース (現・基礎コース)
受講したきっかけは。
大学4年生の時に、電通に内定をもらってから通いました。当時はタグボート全盛期で、CMプランナーになりたいと思っていたんです。ところが、総合職でクリエーティブに行けるのって、200人中20人くらいなんですよね。このままのほほんとしていたらクリエーティブには行けないな、という時に養成講座があると知って、まずはここからと思いました。当時は茨城の大学に通っていたので、平日に何度も通ってくるのは難しくて、土曜日の授業がある宣伝会議に決めました。
実際に受講してみて、感じたことは。
土曜クラスは120人くらいいて、そのうち学生は10人くらい。あとは周りみんな大人、って感じで。でもみんな堅苦しくなくて、当時は夜の飲み会が毎回あったのですが、飲んでるとすぐ打ち解ける感じで。今でも年に1回くらい集まるんですけど、いろんな人と知り合えたのはすごく良かったですね。
120人もいたりすると、いろんな視点、切り口が出るので、いろんなものの考え方があるんだ、というのが学べたのも良かったです。
最初のころは、コピーの何たるかもわかっていなくて、大喜利のような気分で取り組んでいたんですが、一番最初の課題でたまたま2位になって。あー楽勝な仕事なんじゃないの、と思ったらそのあとやっぱり泣かず飛ばずの時期がありまして。書くだけじゃなくて選ぶのが大事なんだな、ということもわかりました。
印象に残っている出来事はありますか。
僕はずっとCMプランナー希望だったんですが、山本高史さんの授業にはガツンとやられてしまいました。作品も、言葉がかっこよくて、CMって言葉がこんなに重要なんだ、と。それがきっかけで、コピーライターになりたいなって思うようになったんですよね。コピーが書けないと、CM自体もいい企画にならないような気がして。今はCMもやりますけど、肩書はコピーライターのままです。
講座ではどのようなことを学びましたか。
コピーに関しては、いまだにわからずもがいていたりするんですけど、いろんなコピーやものの考え方を知れたというのが、良かったですね。巨匠たちのいわゆる名作をたくさん知ることができたのは、野球で言えばフォームを覚えるみたいなもので、いい機会でした。今でも印象的なのは、中島信也さんの「おりこうの山」と「ばかの山」の話。企画に対する姿勢みたいな話は、この時以外にあまり聞かなかった気がするので、今でも企画を考える時にふと思い出しては、もう一度トライし直すことがありますね。
コピーライターになってみて感じたことは何ですか。
一番思ったのは、講座に通っていた時は本当になめてたな、ということ。当時は、こんなもんでいいや、というくらいで、ちょっとしたコピーごっこになっていたんですね。現場では、ものを作るという姿勢が全然違っていて、誰もが努力をしている世界だとうことを改めて知りました。もちろんそれで飯を食っている訳で、どれだけハードルをあげられるかというのがやはりプロの世界なんです。ライバルもすごく多い。まさに弱肉強食の世界でした。逆に言うと切磋琢磨できる場でもあるんですが。そういう中で、たまに賞が取れるのは励みになりますね。あとは身近な人にいいね、と言ってもらえるというのがやっぱり嬉しい。楽しい、いい仕事だなと思います。
コピーライターに向いている人はどんな人だと思いますか。
しつこい人。コピーライターに向いてる人っていうと、面白いことを言える人、ムードメーカーとかってイメージがあるかもしれませんが、それは重要なことじゃないと思う。自分が納得できるまでしつこく考え続けられること。 自分が納得できるまで妥協せず諦めず粘り続けられる人が強いなって思うし、いつもどおりでいいやっていうよりも、もっと違う事できないかな、もっといい方法がないか、他にいい方向はないか、と探り続けられ粘り強さを持つ人が向いているんだと思います。
これからの抱負を聞かせてください。
とりあえず今は目の前の仕事をひたすら一生懸命にしつつ、もっとコピーの腕を磨いていきたいなと。あと、見た人を元気にしたいです。クライアントのお金でクライアントの商品を売るというのが目的なので、コピーというのは手段でしかないんですけど、せっかくだからそれをきっかけに元気にしたいなと思います。たとえシニカルな表現だったとしても、見た人がなんだか前向きになれたりするような。
受講を検討している方へのアドバイスをお願いします。
コピーライターだけじゃなく、何をするにしても言葉って重要だと思うので、人にものを伝える技術を学べる場としてはすごくいいと思います。人生としてそういうのを知っていると、絶対に損はしないんじゃないかな。コピーライターって免許があるわけではないですけど、ものを伝えるプロだったりするので、その思考のプロセスを学ぶのはどんな仕事にも役立つと思います。ひと言で、要はどういうことなのかを伝えることとか。本を読むだけでは、そういう思考ってなかなかできないし、自分で実際に手を動かせるのは、講座ならではなんじゃないでしょうか。
これからコピーライターを目指す方へメッセージを。
あきらめないでください。最近すごく思うんですが、コピーライターになるのは難しい難しいとよく言われるけれど、講座の仲間がコピーライターになった、という話を結構聞いたりします。 なれていない人との差はなんだろうって思ったら、講座の成績ではなくて、コピーライターになることを諦めているかいないか、もうちょっとのところを粘れているかいないか、そういうところが多い気がするんです。なりたい気持ちを持ち続けているのがすごく大事なんだなって思います。