広告業界の先輩が語る仕事内容 コピーライター②

コピーライター
COPYWRITER


片岡良子

自分の生み出した
言葉が
チームの道標に

片岡良子(かたおか・りょうこ)
CHERRY
コピーライター


2012年ADK入社。約5年営業を経験し、コピーライターに転向。TCC新人賞、FCC古屋彰一賞、CCN 賞、BOVA審査員特別賞など受賞。広告されない、ちいさなモノゴトマガジン『ちい告』共同編集長。2022年からCHEERYに所属。

-コピーライターを目指す学生のみなさんへ-
起点から終点まで 言葉にまつわるすべてに携わる

コピーライターは、消費者の気持ちと、企業や商品の接着点を探る仕事です。その際、どちらかといえば企業側のビジネスや市場動向などマクロな視点で伝えたいことを整理するストラテジックプランナーに対して、コピーライター は消費者一人ひとりの目線に寄っています。消費者が「どう言われると嬉しいか、買いたくなるか」というポイントを、気持ちを深く洞察して探っていく。コピーライターは「消費者の代弁者」と言ってもいいのかもしれません。

コピーライターは、ポスターやCM のキャッチコピーを考えるだけではありません。最初の仕事は、制作物のコンセプトとなる言葉を見つけることです。制作には、たくさんのクリエイターが関わりますが、それぞれが自由に作品をつくっていては、広告の目的が達成できなくなってしまいます。クリエイティブチームが、「今回の企画で表現すべきことは何か」を見失わないための、ゴールを言葉で示す。そのコンセプトがあることで、ディレクターも、カメラマンも、デザイナーも、出演者も、アーティストも、制作に関わるすべての人が一つの方向を向くことができると考えます。

そして、もちろんコピーライターは、最終的に消費者の目に触れるキャッチコピーやステートメント、ナレーションも考えます。この最後のアウトプットまで自分で手を動かすというのは、実はコピーライターならでは。

コピーライターはこのように、クリエイティブの起点となる言葉から、実際に世に出る終点の言葉までトータル的に自分で考えることができる。それがそのまま私たちの仕事の醍醐味です。

 

真ん中をつくるのがコピーライター

私は子どものころからテレビ番組やCM が好きでした。なぜ好きかというと、生活の中にあるエンタメだからです。映画や書籍と違って、視聴ハードルが低いものと捉えていました。誰もが気軽に触れられるからこそ、世の中のムードをつくることができるのだと思います。自分が好きなものに関わりたいという気持ちで、就活ではテレビや広告業界を志望しました。

ADK に入社後は、営業に配属されました。クリエイティブ職を目指す人の中には、営業はやりたくないという方もいると思いますが、このときの経験がとても役に立っています。営業は関わる人の数がコピーライターの10 倍ぐらい多くて、社内外の様々な属性の人に出会います。「世の中には、色々な人がいて、色々な価値観がある」ことを体感できて、コピーライターになった後もアウトプットの幅を広げるうえで必要な社会経験でした。

5年目にコピーライターに転局希望を出しました。それは営業として関わった案件で、一緒に仕事をしたコピーライターの強烈な存在感に憧れたから。現場では、他のクリエイターも営業も、その方が発する一言を待っていました。そして、発言したらみんながその方向を向き、動き出す。「ああ、みんなに矢印を示す、真ん中をつくる仕事ってかっこいいな」と思ったのです。

 
 

言葉を武器に、広がる活躍の場

これからのコピーライターは、広告以外の場面での需要が増えていくと思います。商品やブランドを立ち上げる段階からコンセプト立案をお手伝いすることも多々あります。コピーライターは、膨大な情報を、世の中の反応を計算して伝わりやすく、シャープにする言葉の使い手で、言葉はあらゆる活動やコミュニケーションに必要不可欠。そう考えると、活躍の場はまだまだあるのではないかと思っています。

私も広告以外の仕事が増えています。たとえば恋愛リアリティー番組のコンテンツ制作をお手伝いしました。ティザー動画を制作して、その動画内で一人ひとりにインタビューをし、登場人物のキャッチコピーをつけました。本編に興味を持ってもらえる情報はどの部分かを考え、発信したのも、広告以外の楽しい仕事でした。

また、自主企画で会社の有志メンバーと『ちい告』の制作も。これは名刺サイズのカードを10 枚重ねた極小のフリーペーパーです。コンセプトは、「広告されない、ちいさなモノゴトマガジン」。ちいさくて、ささやかで、取るに足らない情報を、毎号発信しています。今では、ちい告とタイアップしたいという企業からの相談も何度かいただいています。コピーライターは会社やクリエイティブディレクターから依頼を受けて案件を持つことが多いですが、自ら新しい案件をつくることも可能ですし、これからはコピーの可能性を広げるチャレンジが大切になっていくと思います。

最後に、どんな人が向いているかと聞かれたら、一つのことにとことん取り組める人だと思います。コピーライターの活躍の場は減らないと言いましたが、それもこれも、コピーライターは、言葉という明確な武器を突き詰めているからです。コピーは才能ではなく技術なので、努力すればするだけ伸びる道筋がある。オタク気質で一つのことを追求することが好きな人には合っていると思います。

 

※本インタビューは「広告界就職ガイド2024」に掲載しているものに加筆修正をしたものです。
※一部、情報は取材時のものです。
※広告界を目指す学生の方は「広告界就職ガイド」を一度、手に取ってみてください。



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