広告業界の先輩が語る仕事内容 コピーライター④

コピーライター
COPY WRITER


大塚麻里江

若手1年目でも
トップを目指せる。

大塚麻里江(おおつか・まりえ)
サイバーエージェント
クリエイティブプランナー/コピーライター


1992年東京生まれ。女子美術大学デザイン・工芸学科卒業。2015年、サイバーエージェントにデザイナーとして入社し、同年よりクリエイティブプランナー/コピーライターとしても活躍。同社の企業広告「遺影じゃないよ、入社写真だよ。」で2020年度TCC賞新人賞を受賞。現在は、InstagramやTwitter、YouTubeなどのSNS広告を数多く手がける。

デザイナー職で就活?デジタル領域の隆盛に合わせる

祖母が油彩をやっていた影響で、子どもの頃から油絵を一緒に描いていました。遊びのようにアートに親しむ環境でしたね。中学もデザインの授業がある学校に通っていたので、自分がアートやデザインが好きだということは、早い時期から意識していました。

高校3年生になって進路を考え始める頃には、吉田ユニさんや野田凪さんの作品を見て、アートディレクターに憧れるようになりました。彼女たちが卒業しているということもあり、女子美術大学に進学。ヴィジュアルデザインを専攻しました。

大学では、ポスターやグラフィックのデザインを中心に制作に取り組みました。一方で企画にも興味があり、夏休みに子ども向けのワークショップを開催したり、自分で架空の広告をつくったりもしていました。

就職活動では、デザイナーの求人を主にチェックしていました。様々な求人を見る中で感じたのが、グラフィック系のデザイン会社の求人が想像より少ないということ。逆にWeb系のデザイナーの求人はとても多いと感じたのです。なんとなく、今後はデジタル領域の仕事がさらに増えていくのだろうなと予想して、デジタル系の制作会社を多く受けることにしました。

面接では、タレント力や見た目のインパクトに頼らず、アイデアで勝負する広告をつくりたいと話していました。人が商品を買いたくなる、本質を突くようなデザインをしたいと思ったのです。その結果、デジタル系の広告会社の中で第一志望だったサイバーエージェントから内定をいただきました。とてもうれしかったですね。

デザイナーからコピーライターにジョブチェンジ

デザイナーとして仕事を始め、Webページのデザインなどを担当していました。一方で学生時代から企画にも興味があったので、上司や周りの同僚に、プランニングやコピーライティングにも挑戦してみたいと話していたのです。とはいえ、2年くらいはデザインをしっかりやってから…と思っていましたが、当社はスピード感がかなり速いことが特徴の一つ。半年後にはプランナーとして企画やコピーを担当することになりました。新しい仕事を任され、業務に必要な知識やスキルを身につけることにとにかく必死でしたね。

そうしてコピーを書くようになりましたが、当時はコピーがどのようにつくられているのかもまだまだわかっておらず、きれいな言葉が並んでいても中身がない「飾り言葉」になっていました。本質的な言葉を生み出せずに苦労していた時に、コピーライターの巨匠・仲畑貴志さんに直接コピーを教わる機会をいただきました。ちょうど、サイバーエージェントのクリエイティブ領域における特別顧問を仲畑さんが担当されることになったのです。

そこで、「コピーを書くとはどういうことか」を掘り下げて教えていただきました。何本もコピーを書いて、何度もフィードバックをもらっているうちに少しずつ、きれいな言葉が並んでいるだけの飾りのコピーと、本質的なコピーの違いがわかってきました。

TCC新人賞を受賞した、「遺影じゃないよ、入社写真だよ。」というコピーは、仲畑さんの白黒写真にコピーをつけたことで話題になりました。この案は、仲畑さんが笑ってくれたらいいなと思って出したものです。

正直今でも、コピーライターとして揺るがないほどの自信はありません。ただ、今後も周りの人に笑ってもらえたりハッとしてもらえたりする、本質を突いたコピーを書きたいと思っています。

サイバーエージェント採用広告「遺影じゃないよ、入社写真だよ。」
コピーライターの巨匠-仲畑貴志氏を起用。2020年度TCC新人賞を受賞

 

商品の魅力が届くようコピーも最適なものに

今は、SNS広告を担当することが多いです。Instagramのストーリー広告やYouTubeのバンパー広告、Twitterのキャンペーンなどのプランニングをしたり、コピーを書いたりしています。

学生時代は自分の感性のまま作品をつくっていました。でも、広告はその逆。消費者にどうしたら買っていただけるかを最優先に考える必要があるのです。例えば、最近担当したInstagramのストーリー広告は、若い世代がメインターゲットです。広告が見られる時間は一瞬。その短い時間で商品の魅力を伝えるため、長いコピーを使うのではなく、ハッシュタグ形式でアピールをするなどの工夫をしています。

デジタル上の広告は、どのくらいの人が広告を見て商品を買ってくれたのか、数字として結果が出ます。つくったものに対してのリアクションがわかるので、やりがいがあります。そもそも広告は、より多くの人に商品やサービスを買ってもらうためのものです。自分の感性や美意識よりも、消費者目線を優先するクリエイターでいたいですね。

ルジェ フレーバーのInstagramストーリー動画/サントリースピリッツ

 

デジタルの新しい広告表現を追い求める

今後の目標は、短尺動画を使った広告において、新しい表現方法を見つけることです。SNS広告に動画が盛んに利用されるようになってきた昨今、「このような構成で動画を作成すれば必ず結果が出る」といったようなフォーマットが決まってきています。結果が目に見えてわかりやすいというデジタルならではの特徴が、「勝ちパターン」を表面化しているのかもしれません。そうした、パターン化されたクリエイティブから脱したいという思いが強くあります。私はつくり方から変えていきたいと思っています。

サイバーエージェントには、YouTubeのチャンネル企画やバーチャルコンテンツの制作などで、映像における新しい手法を試しているクリエイターがいます。そういった方たちと連携しながら、広告としても使える表現方法を見つけていきたいです。

求人ボックス Web限定CM/カカクコム

 

群雄割拠のデジタル領域!1年目でもトップを目指せる

デジタル広告を手がけることの魅力は、ベテランも新人も関係なくフラットに競い合っていけることだと思っています。この領域において、「SNS広告と言えば〇〇さん」といったような、圧倒的な地位を確立している人はまだいません。そんな中で私は、半年でいきなりプランナー・コピーライターとしてフロントに立ちました。群雄割拠の時代に、入社1年目でも、トップを目指して先輩方と同じ土俵に立てるのです。トップクリエイターを目指してチャレンジしたい方には、ぜひデジタル領域の企画やクリエイティブにも目を向けて自分の可能性を試してほしいですね。

※本インタビューは「クリ活」に掲載しているものです。
※情報は取材時のものです。
※広告界を目指す学生の方は「クリ活」を一度、手に取ってみてください。

 

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