佐藤理人さん

前の仕事にやりがいを見つけられなかった

  • 総合コース (現・基礎コース) 2004年秋
  • 電通 クリエーティブ局
前の仕事にやりがいを見つけられなかった
  • 佐藤理人さん
  • 電通 クリエーティブ局
  • 総合コース (現・基礎コース) 2004年秋

受講したきっかけは。

入社後、2年間マーケティングの部署にいて、その後営業に。営業4年目の時にクリエーティブに行きたくて、受講しました。マーケの時は、データや分析から過去の話をするだけで新しい発見がない感じがあったし、営業の時は、中身よりまず枠の話をするのは変だなという違和感がずっとあったんです。

お金儲けの才能もあまりなかったですし、むなしいなあ、と悶々としていて(笑)それに引き換えクリエーティブの人は、名刺の力がすごいんです。クライアントさんとの打ち合わせでも、名刺に「クリエーティブ」と書いてあるだけでいい発言だと思われたり、具体的な案を一個見せるだけでスーッと話が進んだり。これはなんだか割に合わんぞ、と思いまして。

年も30で、このまま仕事がずっと楽しくないのもよくない、人生を変えてみようかな、と一か八かで転局試験を受けることにしました。僕は第2次ベビーブーム世代で、受験戦争にどっぷりつかっているので試験といったら塾なんです。土曜日に行けるのが宣伝会議だけだったので、決めました。

転局試験はどうでしたか?

クリエーティブの試験なんて、もともと面白くて特殊な才能がある人しか受からないと思っていたんですが、講座に通って、あれで見られているのは、視点のよさだけだということに気がついたんです。

物事をどういう角度から見るか、その視点がいかにほかと違うかという、とにかくそれだけを考えて臨みました。運よく合格しまして、今思えばあれが人生のピークでした(笑)

実際にコピーライターになられてからはどうでしたか?

難しい難しいと言われた試験に一発で受かってしまったものだから、なんだ、たいしたことないな、と完全になめてかかっていたのですが、それがとんでもなかったです。自分がいかにつまらない人間かを徹底的に思い知りました。

配属先の師匠が凄腕の人で、その人に2年間叩きのめされまして。そこで毎日怒られながら教えてもらったからこそ、今曲がりなりにもクリエーティブとして仕事ができているので、それは本当に感謝しています。

講座で学んで、日々の仕事に役に立っていることはありますか?

自分はつまらない、ということに気がついたことです。自分が思いつく程度のことって、ほかの誰でも思いつくというのは、講座に通う中でよくわかりました。コピーは書くより選ぶほうが難しいとよく言われますが、自分の中のハードルを上げて、自分が考えたものを疑ってかかるのが重要なんだと思います。

いまでも基本的に、自分はつまんないな、と思いながら日々やっているんですが、コピーライターをしていて楽しい瞬間は、9合目の札が見えた瞬間。これ、なんか解決できてるかもと思えた瞬間ですね。ひらめく喜びっていうのは、それこそプライスレスでお金で買えないものだし、飽きないなあと思います。

答えがないということは、絶対にないわけですし。自分で案を考えられる幸せというのは、マーケや営業の時はやっぱり味わえなかったですからね。

印象に残っている講義を教えてください

狐塚さんがコロナビールの広告を題材で紹介してくださったんですが、それが一番印象深いです。視点がすごく意地悪で、世の中の一般概念に対してぴりっと毒が効いているような表現で。

広告のアイディアというのは、商品をよく見せるためのテクニックよりも、いかにベネフィットをきちんと訴えるかが重要なんですね。逆に言えば、コアメッセージだけがしっかりしていればあとは自由に遊んでいいというのがよくわかった講義でした。

受講を検討している方へのアドバイスは?

やってみてダメなら別にやめればいいと思うので、検討している暇があったら申し込んだ方がいいのに、と思います。考えている時間がもったいない。自分探しって、できることを探すより、できないことを一個ずつつぶしていって最後に残ったのをとる方が簡単だと思うんです。

だから、これはだめだな、と思えるだけでも収穫だと思います。それに、頭で考えてやめるよりも、実際にやってみて失敗した方が絶対にいいです。失敗して失敗して目線を下げると、感じたことがない感情を体験できたりして、そういうのをストックしていくのも大切だと思います。コピーってやっぱり自分が実際に経験したことしか書けないので。まずは受けてみて、それから考えてもいいと思います。

コピーライターに向いている人はどんな人だと思いますか?

一人でも平気な人、孤独な人、世の中の通念に違和感を感じる天邪鬼な人。そういう人のほうが、ものを違う角度から見られるからいいと思います。あとは、挫折をいっぱいした人、コンプレックスが多い人。

自分はだめだと思うことがたくさんあったほうが、目線が下がりますから。山本高史さんもおっしゃっていましたが、広告って、弱い人のものだと思うんです。いかに目線を下げて、相手の言葉で語れるかが大切な気がします。

これからコピーライターを目指す方へメッセージをお願いします

この仕事は、名乗るだけならとても敷居の低い仕事ですが、名刺をつくった後が大変で、例えばコピー年鑑とかを見ちゃうと、諸先輩方と自分との差に愕然とします。でも、向いていたら楽しい仕事だと思います。ものを書ける幸せ、具体的な案を作れる幸せを感じられますから。

最後に、TCC新人賞おめでとうございます!これからの抱負もお聞かせください

ありがとうございます。もう入社12年目で、同期には東畑さんや大宮エリーさんがいらっしゃるんですが、転局したらそれまでのキャリアも丸々リセットされてしまったようで。 何か取らないとまずいな、という気持ちがあったので聞いたときは本当に肩の荷が下りたというか、うれしかったです。賞はいただくことができたので、これからは身軽に好きなことをしたいです(笑)大きな仕事というよりは、あまり世間に知られていないような企業・業界にスポットを当てられるような仕事。

今って、価値観の多様化とか言われる反動のせいか、保守的な考え方のほうが意外と幅を利かせている気がするんです。でも、それだとすごく不自由でつまんない世の中になってしまうから、もっと多様な価値観を伝えていきたいという気持ちがあります。

いろんな幸せがあるというのを伝えたい。恐らく、マイナーな企業・業界の方が近いことを感じていると思うので、そういう企業のトップの方とパートナーとして一緒に広告を作って、課題解決のお手伝いができればな、と思います。そのためにも、今年の抱負は自主プレゼンですね!

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